電動化への予備知識③

連載にてお話させていただきました「EVと聞くとネガティブ要素に捉えられるベスト3」、意外にも反響が多く驚いております。

未知となるエネルギーシフトに関心が向かれていることで弊社のようなブログが少しでもお役に立てれば、という本心のもと本日は

  1. 距離もあまり走れないよね?(=航続距離問題)
  2. 充電時間って給油に比べて時間ががかかるでしょ?(=充電問題)
  3. 電池ってすぐ劣化するんでしょ?(=バッテリー問題)

の3つ目となるバッテリー問題をとり上げてみたいと思います。

 

今やスマホも2年も経過すると電池の劣化が顕著にみられ、「リチウムバッテリー=劣化する」といった印象をお持ちの方も多いと思われます。

 

満充電もしくはカラの状態で放置しない、バッテリーが熱を持つ状態で連続使用しない

 

などバッテリーの寿命を常に気を遣いながらご使用される方は少ないのでは、と思いますがこれをEVに置き換えてみるとこれが原因で劣化が大きく進むトリガーとなりうるのです。

ここで勘違いされる方も多いのが、「EVは常に満タンにする必要がない」ということ。某メーカーのCMでは朝起きたら満タン!といったフレーズもありましたがこれはバッテリーを劣化させる要素の最たるものとなります。

満タン(フルチャージ)は放置せずすぐにスタートできる場合などの条件時以外は推奨しません。(LFPバッテリーなど週一満充電推奨などの例外もございます)

 

というわけで必要分をチャージするためには逆算も必要となりますが、厳密なものは必要なくプラスα程度で問題ないためあまり固く考えることも必要ないものと思います。

それに関連して充電の効率帯についても実は知っていただきたい重要な要素があるんです。下のグラフは以前EVカンファレンスにて転載許可を頂いたものですが最も分かり易いので気に入っています。

 



これは電池大きさと充電スピードの相対関係をビールと容器に例えたグラフなのですが、

 

・バッテリーの容量が大きいクルマほど充電効率(充電スピード)が高い

・バッテリー残量がカラに近い状態ではチャージスピードも速く、半分残量からの充電ではチャージスピードも遅い

・どのバッテリー容量のクルマでも満タンに近くなると充電スピードが低下する

 

これらから平均的観点で20%→70%くらいまでの充電効率が最も良いことになりチャージスピードも速い、ということがいえます。ただし電池容量すべてがそうではないためそれぞれのクルマのバッテリー容量に関する特性を知ることも重要な要素となります。

自身のクルマの最良となる充電効率帯を把握して充電することは時間的な無駄も発生しませんので他の方に迷惑をかけることもないでしょう。

 

また上記のように公共の充電設備ではマナーを含めた啓蒙周知も重要だと考えます。急速充電施設で満充電近くまで粘ることは実は非効率充電域でもありスマートではありません。急がない充電時には先を譲るくらいの余裕や、充電待ちが発生している状況下では一回30分の充電を2度続けるような「おかわり充電」を避けることは今後販売を控えるメーカーからの正しい使用方法の普及説明も期待したいところであります。

 


 

3回にわたりEVに乗るうえで知っていただきたい基本的なことをご説明してきましたが、正直これらご使用の条件に合わない方もおられることでしょう。重要なのはガソリン車に代わるものを、と考えたときに

「ご自身の生活の一部に犠牲にになる何かがあってもクルマを用いる用途に大きな影響が出ないこと(もしくは我慢できること)」

を考えることが最も重要となります。

「ガソリンが高いから~」といった要因での安易な代替をお考えではネガティブ意見しか出てこないのは明白です。

これらよりEV化への変革を一過性の流行と捉えてしまうとエネルギーシフトの道筋としては間違ったものとなるでしょう。

勉強を、とまでは言いませんが正しい情報を知識として得ること(しかも日々変わり続けます!)が重要となります。それさえ可能であればEVならではのメリットを享受できることで新たな世界が広がると確信しております。

ご自身の判断では何が正しいかわからない場合もあると思います。その時にお気軽にご相談いただけるような環境を弊社でも常にご提案しております。

 

EV電気自動車導入のご相談はぜひ弊社まで!

㈲笹本自動車整備工場