シリーズ2回目となるテーマの充電にまつわるお話について。
第1回目の冒頭でも掲げた通り、EVと聞くとネガティブ要素に捉えられるベスト3の
- 距離もあまり走れないよね?(=航続距離問題)
- 充電時間って給油に比べて時間ががかかるでしょ?(=充電問題)
- 電池ってすぐ劣化するんでしょ?(=バッテリー問題)
のうち2番目となる「充電問題」について掘り下げてみたいと思います。
充電といってもこの行為自体がEV特有のものとなり、ハイブリット車のユーザーさんでも充電をしながら走る、といった意識はまずないものと思います。
それゆえ充電と聞くと「スマホ同様に時間がかかるもの」といった先入観から単独でのこの行為をネガティブにとらえる向きも少なくないでしょう。
事実、給油を行う行為のほうが圧倒的に早く利便も良いのは間違いありません。ただし今回エネルギーシフトの観点で見るとやはり時間軸を中心に考えることは不可避でもあり、充電が高速化できたとしてもバッテリー劣化等に結び付く悪影響が付きまといます。
現状での既存設備における急速充電では車種にもよりますが現在普及している一般的な出力の急速機でおおよそ30分で130~200km分がチャージできます。これを「標準」として考えることが出来れば自宅充電と出先充電(急速充電スポット)を組み合わせることで長距離の運用も可能となります。
その急速充電スポットも昨今のインフラ整備が進む影響で高出力・複数設置の動きも活発になってきています。
また充電スポットが少ない、はもう過去のお話。初めて訪れる先でもこんなアプリがあるので安心です。
EVsmart 電気自動車の充電器スタンド・ステーション検索 口コミサイト
【リンク/写真】首都高大黒PAでEV6台が同時充電可能な新型急速充電器が運用開始 – EVsmartブログ
このように1か所に複数台設置されるようになると今後増えていくであろうEV車にも対応ができるものと期待が高まります。
あとはキモとなるのが自宅充電。普通充電と呼ばれる200Ⅴでの設置機器がご自宅に設置可能な条件を満たせば、帰宅後や就寝中にゆっくり時間をかけて充電することで通勤を含めた普段の運用はほとんどが賄えるものと思います。
これは弊社での運用の一例ですが、一般的な家庭用電力プランを用いた200V の単相5Aの少電力だと10%(約55㎞分)の充電には8時間20分ほどを要しますが、
充電アンペアを8Aまで上げると半分近くの4時間45分で充電できることになります。たった3Aの違いでもこれだけ時間コントロールが出来ますので少ないアンペア契約のご家庭でも運用は充分可能だと思います。事実、弊社でも従量電灯Bと呼ばれる一般的な50A契約のうち上記アンペア内での運用で過去ブレーカーを飛ばすことはありませんでした。
だからといってエアコンも全室オンで電子レンジ使って…なんてしていればいくら50Aであってもブレーカーは飛んでしまいます。エネルギーシフトするからには「痛みを伴う」までいかずとも少しの工夫と省エネ意識も必要になってくることがまさにトレードオフといえるでしょう。
上記は極端な例ですが通常設置での平均は2kW(=200V・10A)を標準的に考えると思いますので、使わない時間(充電可能な時間)にあわせてアンペアコントロールすることもスマートな充電スタイルといえますね。逆を言えば毎日使いでもっと早く充電完了させたい方であれば可能な限り大きな契約Aを用いてお考えになればよいと思います。
以上よりライフスタイルやお住まいの住環境においても様々な考察が必要になってきますが、上記をお伺いしたうえでのこれらのご提案や最適であろう車両選択のご案内も得意としておりますのでぜひ難しく考える前にご相談いただけたら幸いです。
㈲笹本自動車整備工場