自動運転の現在地

年末にお伝えした通り北米・テキサス州への視察から無事戻ってまいりました。

ちょうど渡米のタイミングで寒波襲来に巻き込まれ、一日前倒しでの帰国となりましたが内容の濃い6日間を得ることができました。

アメリカ国内でも2番目に大きい州にして様々な人種の混在と保守的な面もあるという前回訪問のカリフォルニア州とはすこし違った顔を持つこの地で自動運転技術の現在地を自身の目で確認するミッションがメインとなります。

大きく分けるとヒューストン、ダラス、オースティンと3つの都市部がデルタエリアとして繁栄しておりそのエリアから外れると昔ながらのアメリカが顔をのぞかせるという現在発展著しい場所でもあります。

税制の高いカリフォルニア州からここテキサス州へ本社移転する企業も年々増え、安いと言われる物価もヒトの流入と同時に年々高くなっている現状。今回訪問のTESLA社もその一つであります。

その変遷の途中でもあるタイミングでの今回の訪問でもあったため様々な側面も見られました。そのなかでの「自動運転」にピックアップしてみます。

テキサスは自動運転に関する法制度も全米でも早いうちに解禁され、テスラの自動運転技術V13もすでに配信済みのため、私たちは個人間レンタカーサービス「TURO」を用いて6日間合計約1,200㎞超の行程のほとんどを自動運転で踏破しました。

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今回はこのフリート構成で現地を走りました。左からモデル3、モデルY、サイバートラック

 

率直な感想は「すごい」といった当たり前な感想より、国によってこの技術を解禁できるか否か、の違いに日本はすでに数歩以上取り残されていることに大変ショックを受けました。

 

おそらく自動運転を解禁している国々では、「不具合が出たら都度改善していく」という前向きな考えに比べ、日本など自動運転を未解禁の国では「何かあってからでは遅いので実証を集めることが先決」といった根本的な考え方の違いがあります。これが発展スピードの違いとなり、ひいてはすべての新しいことへの対応が難しくなることを意味しています。

そういった現状の中で国内でTESLA車に携わらせていただいている意味は非常に大きく、色々なことが判りました。

 

最も驚いたのはTESLAのプラットフォーム(車体)は世界共通であれどソフトウエアによってここまで違うクルマになるのか、ということ。

国内でもテスラのオートパイロットは特筆に値するものだ、と自負しておりましたが私が試した現地最新版FSD(自動運転)のソフトウエアを基準に考えると日本でのソフトウエアはその2割も使用されていないのだ、ということです。

逆説的な解釈でいえば、国産車がこの技術に追いつく迄は認可されないためどれだけ待ってもこの機能は解放されず、しかもこれらの革新技術は先に行ってしまうばかり。

その一番の大きな分岐タイミングが今回だったわけなのです。

いくつか動画を挙げたので百聞は一見に如かず、ですが先の写真にもある無人自動運転サービスのWeimoなどの車両に見られるような「いかにも」な艤装は一切なく外観上も至って普通な車です。

現地では相当数のWeimo車両を見ることができました。昨年大きな死亡事故が発生しニュースにもなった同社ですが、それらもふまえさらに前に進んでいる印象を受けました。

 

この先を見据えるとやはり国内でどう広まっていくかが一番の注目点となりますが、ニーズと利便を考えるとインバウンド向けの観光用はもとより過疎地の配車サービスやこの先加速されるであろう高齢化に伴う必要性は二の足を踏んでいる場合ではない、と強く感じることしきりです。

今回の記録は弊社instagramyoutubeにて公開しておりますが道中のリアルタイムを都度公開したサブアカウント:「sasamotojikou3366」でもご覧いただく事ができます。

是非、自動運転の現在地をご自身でも確認してみてください。

㈲笹本自動車整備工場